昨日、注目されていた米中間選挙が終わり、大方の予想通り、上院はトランプ大統領の共和党が過半数を取り、下院は反対勢力の民主党が過半数を押さえました。これにより政権は事実上の「ねじれ状態」となり、トランプ政権としては今後、難しいかじ取りが予想されます。
今まで、メキシコとの国境に壁を作るだの、何かと過激な発言で周囲をひやひやさせていたトランプ大統領ですが、これからは何かにつけ、下院で過半数を取った民主党の意見も無視出来なくなり、おそらく、今までのような暴走モード一辺倒では行かなくなることでしょう。
しかし、アメリカ国内では、未だ圧倒的なトランプ支持者が多く存在し、自国ファーストの姿勢を強く支持しています。そしてこの現象は、いまや世界中に波及しようとしています。
先日行われたブラジルの大統領選挙でも、自国ファーストを唱え、過激な発言で世間を騒がせた極右のボロソナロ氏が当選し、軍備の増強や銃規制の緩和を示唆していました。
そして、オーストラリアでもオーストラリア版トランプと揶揄されるポーリン・ハンソン議員が現れ、注目を集めています。
ハンソン議員は、極右政党の「ワン・ネイション」の創設者で、多様な文化の共存を否定し、外国人を自国から追い出す趣旨の演説をしています。
このような潮流は、今まさに世界中で起こっているようです。そして最近では、自分の周りでもこのような傾向の人達が見られるようになってきました。
自国ファーストは、もっと個人な立場に置き換えるのなら、自社ファーストにもなり、自分ファーストでもあります。
自分の会社だけ儲かれば他の会社はどうでもいい。我が家だけ良ければ他の家はどうでもいい。自分さえ良ければ他人などどうでもいいなど、利己主義な人たちがやたらと目に付くように感じます
他を排除し、すべての人が自分の利益のみを主張し追求するエゴイズム思想に支配された世の中になったら、きっと世界はまた戦争を始めるかもしれません。
そうならないためにも、他人の痛みを自分の痛みに感じられるような感覚だけは、無くさないようにしたいと思います。
不動産企画部 山口